『夏前だからこそ』
大嶋重徳(関東地区主事・元北陸地区主事)
 夏前だからこそ、もう一度言いたい。「旗を掲げよ」である(巻頭言バックナンバー安藤理恵子主事NO.6を必ず参照)。

 私の主事経験から言うと、4月に希望に満ちた表情をしていた新入生達が、学生生活の壁にぶち当たる時期が必ずある。「自分は何のために大学に入ったのか?」「こんなことをする為に、大学生になったのか?」「自分の生活はこのままでいいのか?」この壁にぶつかる時期が夏前なのだ。勿論、ある学生達はハイテンションのままサークルの仲間と過ごす夏に突入していく。が、夏が終わったらいずれにせよこの壁にはぶつかる。

 ぶつかった時のリアクションは二つに分かれる。「所詮大学なんて、人生なんてこんなもんだ・・・」と壁の前で開き直る生き方。もう一つは「自分の生きる道はどこにあるのか?」と壁の向こうを探り求めていく生き方だ。この二択は今後の人生の決め手になる。後者の彼らは、4月に配ったビラを手に、または学内に掲示したポスターを手掛かりに、あるいは「俺クリスチャンなんだ」と語ったあなたの言葉を頼りにして、学内聖研にこの時期ポツリポツリと求道者が来はじめる。4月に掲げた「旗」の意味はこの時期に大きな意味をもってくるのだ。または4月に新入生勧誘が出来なかったと悔やんでいるクリスチャンよ。諦めてはいけない。夏前だからこそ、本当の意味であなたが掲げる「旗」は大きくたなびいて見える筈だ。

 聖研に足を運んでくれた友人を夏期学校に誘おう。あなたの語る聖書の言葉に関心を示してくれた友人に申込書を渡そう。1.2年生の頃には、何の興味も示さなかった友人や、「クリスチャンだ」という情報を聞いてこちらから連絡しても、「興味ありません」と答えてきたあの下級生クリスチャンも、今は主が用意された大きな壁にぶつかって、今その心は変えられているかもしれない。あなたはこの夏の機会を逃してはならない。

 週に一度で1.2時間の聖研が終わる度、「もう少し時間があったらなあ」と思わないだろうか。1年間の聖研の時間をトータルすると、64時間〜80時間である。しかし3泊4日もしくは4泊5日の夏期学校では、一気に72〜100時間程度の時間を連続して一緒に過ごせる。しかも聖書を真ん中に置きながら、人格的な交わりをあなたは時間を気にせずにゆったりと出来るのだ。また夏期学校は、あなたが学内で一人孤軍奮闘して証をするのではなく、地区の仲間があなたの友の救いの為に祈り一緒に証をしてくれる。あなたはそこで親友と寝食を共にしながら、キリストを証し出来る。

 さあ、勇気を出して今一度、「旗をかかげよ」。
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